読書

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

 これはミァハの火葬なの、とわたしは訊いた。
 うん、とミァハは答える。
 わたしの棺に、本は入れられないからね。
 わたしに力をくれたものは、わたしが連れて行く。

 最近、読んでるんですよ、SF。っていうと
 大学の後輩なんかが声を荒げて
「あんなに嫌いだって言ってたじゃないですかーーー!!」
 と怒るのです。
 すみません。返す言葉もない。

 ある機会にNOVA3を読んで、
 あれれ、わりと、おもし、ろい?
 と思って、食べ始めました。ごめんなさい食わず嫌いでした。

 苦手意識の強かったSFですが、この本は、ばけものみたいななにか、であるとよく耳にしていました。
 ただしくばけものとはこういうもののことを言うのだなと思いました。
 なんともはや。うつくしいばけものだなあ。

 端麗でした。
 わたしたちは、この本が発表されたあとの、世界を生きなければならないのだと思いました。